
成功事例の紹介
プロジェクトの背景
依頼主は北海道で鋼製タンクの製造をメインで行っている会社。 自社の既存建物の横に増築という形で、工場を建築する計画をしていた。 既に、とある意匠事務所で基本設計が完成しており、知り合いのゼネコンに概算の工事費も算出してもらっていた。 しかし建築費が事業主の予想よりも高額だったため、事業主はコストダウンが出来る方法を探し、自らさくら構造へ相談の問合せをしたことから始まった。 この事例は、事業主と、さくら構造が直接建築計画を進めた成功事例である。
物件概要
構造種別:鉄骨造 階数:平屋建て 施工面積:3800㎡ 用途:工場
登場人物

A社長
(依頼主・事業主)

西山常務
(さくら構造株式会社)

小林室長
(さくら構造株式会社)
依頼者の要望と抱えていた課題
【建築費の予算は4.5億円】
- 地元の意匠設計事務所に基本設計一式を依頼
- 完成した設計資料を基に、知り合いのゼネコンに建築費の試算をしてもらった
- 試算の回答はなんと7億円。施主の予算は4.5億円なので困っていた
【事業主 A社長の後悔】
A社長は以前、鉄工所をやっていた経験から今回の建築で鉄骨量は500t程で、出来ると想定していたが、意匠事務所の設計した数量は600t弱であった。
細かく打ち合わせを行わなかったことを後悔したのと同時に、現状の設計に改善の余地があるのでないかと感じていた。
依頼者が抱えるその他の悩み
-
【事業再構築補助金の利用をする為、完工を急ぐ】
補助金を受けるには1年後には建物の完成が必須。しかし、鉄鋼材が入手困難。完成に間に合わないと言われていた。 -
【建築地のエリアは多雪地域。雪害に耐えれる建物にしたい】
⇒日本でも屈指の多雪エリア。屋根など積雪に耐えれるものにしたい。 -
【最終的に予算が合わなければ、建物を小さくした計画も検討中】
予算からあまりにも離れているので、計画規模を小さくすることも検討。
問い合わせのきっかけはさくら構造の新聞記事

A社長は新聞記事でさくら構造の事を知り、直接電話の問い合わせをした。
- 平屋建ての工場を自社建物の横に増築をする計画をしている。
- 事業再構築補助金を受ける予定のため、1年後までに完成させたい。しかし建築に使う鋼材が8か月待ちで、工期が間に合わない。
電話をくれたその日にA社長がさくら構造の本社へ来てくれることになり、西山常務・小林室長と、対面で話を伺うこととなった。
事業主 A社長がさくら構造本社へ訪問当日

西山常務
そうでしたか。私たちでご協力できることがあればお手伝い致します。
ご計画の資料等はご持参されていますか?もしあれば内容を確認いたします。

A社長
まだ確認申請には出しておりませんが、図面一式(意匠設計図、構造設計図、設備図面、電気図面)を今日は持ってきました。
他にも、地盤のデータや既存建物の図面なども後程お渡しできます。
西山常務と小林室長は資料に目を通したところ改善が出来る場所や、図面でいくつかの違和感を見つけ、その場で即答をした。

小林室長
設計図面、数量の資料等を基に、詳しくは計算が必要ですが鉄骨量は現状の600tから2~3割は落とせそうです!
その回答にA社長は喜び、好感触を得た。
本案件の成功はここがターニングポイントであった。
後日、西山常務はあらためて協力する旨の返事を事業主 A社長へ伝えた。

西山常務
昨日のお話の件ですが、社内で調整がつきましたので、躯体数量分析を行い削減効果がどの程度になるか、また削減効果が大きく見込める場合は、私共の工法を理解している意匠事務所に声をかけて、意匠設計も同時に提案できるよう進めたく思います。

A社長
ご検討いただきありがとうございます。ぜひよろしくお願いします。
実は採択を受けている補助金を辞退して、再申請しようかと思ってます。
そうなれば工期は少しだけ伸ばせると思いますので、少し落ち着いて進めて大丈夫です。

西山常務
もし補助金を辞退された後、再申請をしたら補助金の額が増える方で採択される可能性もあるらしいので、ぜひ調べてみてください。
わたしも調べてみます。
こうして西山常務は、事業主 A社長の懸念事項である補助金のこと、建築鋼材の発注について西山常務自身で調べることにした。
西山常務は調べた内容をA社長へメールした
施主が負担する鉄骨工事費と検討費の比較
- • 事業再構築補助金について
-
- 通常枠だと、採択から14か月以内に完成させ、支払いも終わらせる必要がある。(特別枠は16か月以内)
- もし辞退して再申請をする場合は、事前着手申請を申請前に提出してはどうか。
- すでに受けている採択を辞退する前に、鉄骨材料入手困難の事情を事務局に、個別相談した方がいい。
- • 建築鋼材のロール発注について
-
- 中国が材料を買い占めているらしい。
- 札幌市内の鉄工所に確認したところ、確認時点で「ロール発注が最短6ヶ月。7ヶ月見ておいた方がいい」と言われた。
- 時間にあまり余裕がないなら、市中材でやるしかないと思う。
また、西山常務は分析算出した想定躯体数量をメールにてA社長へ伝えた。
鉄骨数量は約200t削減可能と判明
さくら構造の算出した鉄骨数量440t前後(115kg/㎡)
※クレーン、胴縁、副資材(ボルト、プレートなど)を含む
今後詳細設計を行う際に、スパン調整を行い、細かく検討することで、最終的には、400t~437t(105kg/㎡~115kg/㎡)あたりで納まる予想も併せ伝えた。
その後、西山常務はA社長のもとへ作成した設計資料を携え訪問した。

西山常務
さくら構造の設計業務ですが、先日お伝えした通りの躯体数量予想のもと行ってまいります。
設計料もお伝えした金額でよろしいでしょうか。

A社長
問題ありません。
ぜひよろしくお願いします。
さくら構造が紹介した意匠設計事務所で設計する事も決まり、こうして、さくら構造と事業主との間で構造設計契約を結ぶことができました。
契約後、A社長から西山常務への伝達事項がありました。
- 採択を受けている補助金について、事務局へ相談したところ、期限が4ヵ月伸びる可能性が出てきた。
- 材料の発注は施主自身で行い、柱や梁など大きな部材は先んじて発注をしていきたい。
- ロール発注もなんとか間に合わすことが出来そうということ。
- アメリカで発注をした、タンク機械が1年後に到着する予定。遅くともタンク機械の到着までに、基礎と床だけは終わらせたい。
こうして、さくら構造主導のもと計画が本格的にスタートしました。
計画における重要課題
- 事業主の要望を汲みつつ、4.5億円の予算内で建築できるよう目指す。
- 補助金を受けられるよう、設計・発注・施工のスケジュールを管理し、建物を完成させる。
- 事業主が発注した機械が1年後にアメリカから届くので、それまでに機械を置ける場所を用意する。
当初の想定建築施工費から2.5億円削減に成功
問合せ段階の総建築施工費
7億円
2.5億円 削減
実施設計後の総建築施工費
4.5億円
事前に提案されていた
想定鉄骨数量
600t弱(157kg/㎡)
232t 削減
実施設計後の鉄骨数量
368t(96kg/㎡)
担当設計の頑張りで300t台まで
減らすことが出来た。
【2.5億円の削減内訳】
さくら構造の設計技術による躯体費削減:1.1億円
紹介したゼネコンによる建築費削減:1.0億円
紹介した意匠事務所による建築費削減:0.4億円
さくら構造は年間約750件超の受注件数があります。
多くの方々とお取引をしてる実績があるからこそ、今回、倉庫・工場の建築が、得意なゼネコン・意匠事務所をご紹介することが出来ました。
加えて、さくら構造が主導となり、計画を管理出来たことが、2.5億円を削減できた要因となりました。
事業主の希望スケジュールに乗せることに成功
さくら構造が建築計画の全体管理を行ったことで、スムーズにスケジュールの調整をすることができました。
<一般的な設計依頼の流れ>
事業主
意匠設計事務所
ゼネコン
<下請け>
さくら構造
<さくら構造主導の流れ>
事業主
さくら構造
意匠設計事務所
ゼネコン
成功の要因
- 事業主から問合せ。さくら構造が行う構造設計について直接説明が出来て、理解をしてもらえた。
- 構造設計を直接指名したことで、事業主は躯体数量最適化のメリットを最大限に受けた。
- さくら構造に建築計画の全体管理を任せたことで、意匠事務所やゼネコンを紹介でき、スケジュールや建築費の調整がスムーズに運ぶことが出来た。
- 事業主の抱える要望や悩みについて、直接アドバイスを送ることが出来、解決に役立てた。
結果として、事業主が予定している予算まで建築費をコストダウンすることに成功。
希望のスケジュールで計画も進み、事業主が望む、様々な要望も併せて叶えることに成功しました。
以上が、建築工事費を2億5000万円削減できたポイントです。
A社長
実は、基本設計が全て終わっております。
しかし、今の図面では建築費が、7億円になると知り合いのゼネコンに言われまして、予算4.5億円をかなり超えており、困っています。
しかも事業再構築補助金を受ける予定となっており、工場の完成をそれ迄に間に合わせなければならないのですが、鋼材の入手が困難で、工期が間に合わない状況です。
さくら構造さんに何とかしてもらえないかと思い、今回ご相談に参りました。