12階建てS造事務所ビル 極限への挑戦
常識を覆す徹底検証で7400万円削減した事例

コスト削減実績

成功事例の紹介

事例の背景

既存躯体解体費や建材、人件費の高騰も重なり、もともと少ない事業の予算が大幅にオーバーしていた。「地下施設に近接した立地の建て替え」という難易度の高い設計が求められる状況もあり、事業主が提示する条件をどうクリアし、どのくらい赤字を少なくできるかが課題となっていた。

ゼネコンA社は、長い付き合いがあり、技術力やコスト削減力において信頼を置いていたさくら構造へコスト見直しを依頼。極限のコストダウンを目標に設計業務が始まった。

物件概要

構造種別:S造(鉄骨造) 階数:地上12階地下1階
施工面積:5,000㎡
用途:事務所ビル

登場人物

ゼネコンA社
(依頼主/営業ご担当者様)

営業窓口
(構造設計事務所/さくら構造)

設計窓口
(構造設計事務所/さくら構造)

構造躯体数量の削減をさくら構造へ相談

建設費が予算と合わずゼネコンA社は困り果てていました。様々な要因により建築コストが予想外に高騰した状況で、あらゆる角度からコスト削減ポイントを探すこととなりました。

営業窓口

御社が予想された鉄骨数量は130kg/㎡。なるほど、妥当な数値ではありますね。

ゼネコンA社

でもまだ予算オーバーで困っているんですよ。

営業窓口

詳細な情報をいただければ、実際の物件と照合して細かい部分まで検討できます。
少しでもコストダウンできるように頑張ります!

この時はまだ、あれほど苦戦するとはまだ誰も思っていませんでした。

概算数量を下回るための方策とは?

ゼネコンA社の設計を見直したところ、 通常のケーススタディでは躯体の無駄がほとんど見つけられなかったのです。

設計窓口

・・・これは難しいぞ。
小さなコストは落とせても、大きく削減できそうな要素はない。

さらにコストを削減するには、生半可なケーススタディ解析では無理だな。

こうして、異常値でない数値さえも一つ一つ疑う、見直しが始まりました。

【見直し一例】

  1. そもそも仮定断面が本当に最適だったか?
  2. スタットボルトあり・なしどっちが安い?
  3. 梁のかけ方はどれが一番安くなる?

設計窓口

「一つ一つの削減額は小さくても、ちりも積もれば山となり、大きなコスト削減につながるはず」と考えました。

鉄骨数量を標準的な設計から20%削減

実施設計の結果、鉄骨だけで4460万円を削減しました。

ここまで削減できた要因は?

極限まで鉄骨コストを減らせた5つの要因

  1. 全ての大梁上にスタッドボルトを配置した

    建物全体の変形を抑制し、部材にかかる水平時応力を低減できた

  2. デッキの仕様をQLデッキの高荷重仕様で統一

    1.により通常のデッキ仕様よりもコンクリート量を削減でき、建物自重も軽くなり、地震力も小さくできた

  3. H-606,612シリーズを採用した

    通常の高層鉄骨造では中幅のH-588を使用する必要があるが、セレクトビームパートナーと協力し、躯体費削減につながるH-606,612を選定できた

  4. BCPを使わずBCRのみで設計した

    同条件の建物では通常、600~650となるためBCPを使用するところ、BCRの最大サイズ550で設計。材料強度が高いためトン単価が高く、在庫も少ないBCPを回避できたことによりコスト・工期に大きなメリットを生み出した

  5. 直接基礎の計画に変更した

    下記で詳しく解説

杭→直接基礎の計画に変更し基礎コストが0円に!

地下構造物に近接または上部に建築物を建築する場合、地下構造物に建物の荷重を直接かけないことが絶対条件となります。ほとんどのケースで 新設建物による影響線が地下構造物の下を通過するよう計画しなくてはなりません。

なぜ45°?
土の内部摩擦角などを計算した際、最も安全を見込んだ数字が45°とされている。 粘性質地盤を想定した数値だが、全国的にこの角度が基準となる。

今回の場合、地下施設が設置されたのは既存建物の建設後でした。

しかし、建て替えにより新築工事を行う場合は、この45°の影響線を考慮した設計にする必要があったため、計画当初は杭基礎が検討されていました。

さくら構造の設計者はこのように考えました。

既存建物はSRC造、新設建物は鉄骨造、用途は同じ事務所ビル・・・
もしかして、荷重はあまり変わらないのでは?

そして地盤に関してあらゆる精査を行った結果、以下のエビデンスにより、
杭を打たなくても地下施設への荷重に問題がないことを証明しました。

地盤評価の見直しと「45°影響線」への反論
  1. 建物の重量が建て替え前後でほぼ同じ
  2. 既存建物の基礎も直接基礎だが、地下施設への影響は確認されていない
  3. そもそも現地地盤は強固な砂礫層であり、 地盤を適切に評価すれば影響線の角度は45°より小さくなる

鉄骨と基礎で約7400万円削減に成功

基礎の変更により、ゼネコンA社の期待に応えられるコスト削減額となりました。

計算プログラムが弾き出す標準解を超え、
構造形式の常識を疑う「構想力」と、地質リスクを読み解く「知見」。

この二つを掛け合わせることで、安全性を担保しながらも、
無駄を一つでも減らす「極限の構造躯体最適化」を実現しました。

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